手紙その180

2009年5月1日

By Tohshi


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貴女が病気の時には庭どころではなく草茫々で可哀想に下野草も埋まってしまい、幽かに顔を出していました。庭は元通り綺麗になり幾株の野草ものびのび元気になりました。
律子さん
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手紙その181

2009年5月3日

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いよいよ大型連休に突入しました。貴女はこの休暇が大嫌いでした。町は混み合い交通は渋滞で不便ばかりでなく、不意に家族の者が病気になったり怪我をして病院が休むとなると一番の心配でした。 つづく
律子さん
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手紙その182

2009年5月4日

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今では珍しくなったアルミの御弁当は私の好物の一つで貴女に頼んでわざわざ作って貰いました。削り節や海苔にたっぷりとお醤油を染み込ませ塩鮭や鰯の味醂干し、粗末ながら昔懐かしき思い出はつきません。
律子さん
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手紙その183

2009年5月5日

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子供達が相談をして湯の宿の画廊で書や絵の個展を催すべく準備を始めました。貴女は生前には屡々展覧会を開きたいと言ってました。成功するよう応援して下さい。
律子さん
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手紙その184

2009年5月6日

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東京神田の妹から金ぴら牛蒡とひじき貴女の好物の野蕗を柔らかく煮てわざわざ宅急便で届きました。
妹は食べ物の話になると必ず戦争中の食糧難時代の苦労話になるのでした。当時貴女は陸軍の病院に勤務していたので助かりましたね   つづく
律子さん
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手紙その186

2009年5月8日

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貴女もよくご存じの幼友達から電話で持病が酷くなり自動車の運転も出来ないのでそちらに遊びに行けないなどと情けないことを言ってきました。在郷の友人も少なくなりました。  つづく
律子さん
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手紙その187

2009年5月9日

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貴女が亡くなってからは妹は絶望の淵に堕ちたように茫然とした日々で慰めるすべもなく漸くこの頃は、人心地がついたものか貴女が夢にも出てこないなどと愚痴を零して好物を送ってきたり電話の声も明るくなり
元気になったので安心しました。
律子さん
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手紙その188

2009年5月10日

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そのあたりまで来たからと申して甥は貴女にお線香を焚いて珍しい土地の天草を持って来てくれました。とれたてゆえ磯の香りがして美味しい心太が出来ると自慢していました
律子さん
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手紙その189

2009年5月11日

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涼しい木陰で頂く冷たい心太は貴女の何よりの好物でしたが甥と嫁御の作ったとりたての絹さやは味噌汁の色どりとしても美味しそうです。
律子さん
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手紙その190

2009年5月12日

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毎日ホームページの律子さんへの手紙は眼が不自由なるも巻紙に大筆ゆえ不便を感ぜぬが畳に座して手習いは脚が弱りて庭に水を巻くことさえも出来なく我乍ら驚いているのです
律子さん
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手紙その191

2009年5月13日

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貴女は家を作るなら夏の涼しさを旨とすべしと言うのが持論でした。柿廼舎の庭は深い緑の木陰ができて映ります。昨今は空調の設備が発達したので縁側や廊下も姿を消しました  つづく
律子さん
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手紙その192

2009年5月14日

By Tohshi


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最近の流行なのか地震や火災の要心の為なのか家の形が昔とは一変しました。昨今は何処のお宅の庭も樹木が少なくなりて、貴女は窒息しそうだと言ってました。
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手紙その193

2009年5月15日

By Tohshi


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律子さんへの手紙を書いている今でも遠くで救急車のサイレンが聞こえます。何処の誰かは知らねど心配になりますね。貴女は健康が一番と口癖でした。
律子さん
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手紙その194

2009年5月16日

By Tohshi


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今日は貴女の立ち日ゆえ仲良しのお隣さんが綺麗なお花と豌豆御飯を炊いてお線香を上げながら思い出話をしました。家ではお団子を作り高坏に盛りて仏壇に供えました。
律子さん
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手紙その195

2009年5月18日

By Tohshi


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緑風爽やか夏の到来かと思えども母の言うのには田植えの頃にも炬燵が欲しいと思うほど寒い日があるものと口癖でした。そんな日、母は如何にも得意そうに、ホラネと貴女も一緒に大笑いでした。
律子さん
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手紙その196

2009年5月19日

By Tohshi


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昨夜の風や雨も上がりよく晴れるので酷く気怠いので昼間から転た寝をしていると孫が頭痛がするといって
学校の医務室で休ませて娘に急いで迎えに来るように電話がありて心配をしています。律子さん
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手紙その197

2009年5月20日

By Tohshi


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私が仮睡していたら貴女が現れて口に手をやり笑っているのでした。一瞬のこと、声が出そうになりました。昨晩は腹の具合が悪かったので眠れず貴女は心配で夢に出たのでしょうか?     つづく
律子さん
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手紙その198

2009年5月21日

By Tohshi


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貴女が他界してからは窓辺に遺骨を置き一日中傍でお線香を燻らせ居るゆえ態々夢に出るには及ばず、私の具合も治ったので安心してゆっくりお瞑りなさい。
律子さん
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手紙その199

2009年5月23日

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沖縄も梅雨ならばこの辺りも雲行きが怪しく下り坂となり鬱陶しいのも暫くは辛抱です。孫がまた発熱となり学校を休みました。天国の貴女から霊験あらたかなおまじないを授けて助けて下さい。
律子さん
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手紙その200

2009年5月25日

By Tohshi


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鶯の鳴き声を競う集まりではそうしょうかくは、貴女もご存じの方でした。柿廼舎の庭ではこの春、初音を
聞けませんでした。異常気象の所為でしょうか
律子さん
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手紙その201

2009年5月26日

By Tohshi


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久し振りで白粥が食べたくなり娘の素巾に頼んで作って貰いました。塩を利かすように言いつけたらば少々
塩ょっぱくなりました。残りは鶏雑炊で美味しく貰いました。    呵呵呵
律子さん
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手紙その202

2009年5月27日

By Tohshi


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貴女は黙っていたが昨年の梅雨の初めの頃は今思うと疲れていたのでしょう。素麺の喉越しが美味しいとばかり栄養が摂れなく反省しきりです。   つづく
律子さん
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手紙その203

2009年5月28日

By Tohshi


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貴女が風邪を拗らせて入院し点滴治療をしながら病原菌発見の検査を繰り返し居せしも不明にて集中治療室へ緊急転送され全身麻酔にて意識は戻らぬまま十数日で帰らぬ人となりました。   つづく
律子さん
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手紙その204

2009年5月29日

By Tohshi


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貴女の病気とは間質性肺炎でした。集中治療室では医師も看護師も夜も寝ず懸命でしたのに肺に穴が開いてしまったのです。やはり体力の限界でしたのか貴女も家族も頑張ってくれたのに。
律子さん
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手紙その205

2009年5月30日

By Tohshi


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貴女もよくご存知の当地では唯一の万年筆専門店が九十年の暖簾を閉めました。貴女が最後まで日記を書いていたモンブランの「波」は今でも入手の出来ぬ名品でした。娘が形見として愛用する思い出となりました。
律子さん
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